ゾンビ映画で思い出すのはジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」です。この映画が制作、公開されたのは1968年のアメリカで、当時のアメリカの世相に真っ向からぶつかった作品として大きな反響があった映画として有名です。
1960年代のアメリカでは、ベトナム戦争の泥沼化、アポロ計画の推進、ケネディー大統領の暗殺など、大きなニュースが沢山ありました。「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」が公開された1968年には、日本人もよく知っているキング牧師暗殺事件もあり、アメリカの世相の混乱具合がよくわかります。
そんな中で公開されたゾンビパニック映画では、現在では定番となってきているゾンビの食人性(カニバリズム)などの設定が使われている映画で、当時のアメリカではかなりショッキングな演出だったようです。
ジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」はゾンビ映画の代名詞として、世界的にも広く知られるようになりました。その映画のリメイク版がゾンビ3Dになります。
ゾンビ3Dという名前の通り、この映画は3D映画です。昔から3D映画というジャンルは一定数存在していましたが、現在ほど浸透してはいませんでした。2016年現在の日本で30代から40代の方なら、映画館で赤と青のフィルムが左右に取り付けられた3Dメガネを掛けて映画を見たことがあるという人もいるのではないでしょうか。
このゾンビ3Dは2006年に公開された3D映画で、世界的に成功した3D映画の「アバター」が公開される前に制作された映画になります。
そのため、映画を見ようと思った人は、前作の「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」に影響されてか、期待をする人も多かったといいます。
しかし、ゾンビ3Dは前作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のリメイクといっても、その出来は大きく違ったようで、俗に言う「リメイク版は失敗する」をそのまま体現してしまった映画とも言われています。
ゾンビ3D自体は映画として出来はいまいちだったかもしれませんが、ホラー映画を3Dにするのは映画を見に来る人に大きな期待を持たせるということがよくわかりました。
ゾンビ3Dが公開した後、アバターが公開されたことで、3D映画の人気が急上昇し、最近は人気の映画作品で3D化する作品も増えています。
これからもゾンビ3Dのようなホラー映画のリメイク版が、3Dとなって放映される機会も増えてくると思うので、期待と不安を抱きながら楽しみに待ってみるのもいいかもしれません。